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【第1話:特別インタビュー】日産セレナ ~進化するUDタクシー物語

2019年01月21日

タクシーにまつわる「知らなかった!」がわかるTAXI(タクシー)+DICTIONARY(辞書)。題して「TAXINARY-タクシーナリー」。記念すべき第1話は、日産セレナ・スペシャルインタビュー。タクシー事業者に車両を提供しつづける日産自動車販売株式会社の東京支店長の村部克之さんに話をきいた。

 

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―日産のUD車両は、車椅子の方がそのまま乗車でき、かつ短時間で乗車できる車両として高い評価を得ていますね。このたび、その車両をタクシー事業者に提供している村部さんにお越しいただきました。自己紹介をいただけますか?

ありがとうございます。日産自動車販売株式会社の東京支店長として、タクシー事業者様の窓口をさせていただいています。

 

―村部さんはどんな業務をされているのですか?

私自身は東京支店長として部門をまとめていますが、もともと10年前にメーカー勤務から今の部署に参りました。東京都のタクシー事業者様との人間関係を築きつつ、タクシー販売をさせていただいています。また神奈川、大阪、京都、福岡との連携も図っています。ある意味で、私共の東京は情報がとても早いですから、各地域と随時、情報共有をしています。またもう1つ、メーカーとしての日産本体とのパイプ役でもあります。私共にあつまる情報は、現場の声になりますから、その情報をメーカー本体へフィードバックすることも重要な業務になりますね。そのため、私の立場としてはタクシー戦略立案時のメンバーもさせていただいています。また、車両を改善していくための窓口でもあります。

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―なるほど。多岐に渡りますね。村部さんが統括していらっしゃる組織の中に、タクシー事業者と向き合う専門部署があるのでしょうか。

はい。営業部隊があります。タクシー会社様だけと向き合う専属部隊がいます。また“サービスロードマン”と呼ばれる部隊がおります。タクシーは不具合が出たら1分1秒を争う必要があります。部品を所持していて、巡回したりしています。そういう意味での営業部隊・サービスロードマンがおりますね。

 

―さて冒頭申し上げたUDタクシーは、昨今、超高齢化社会を迎える日本にとってニーズが高まっていますね。また、車両を個人では持たずシェアリングエコノミーとしての時代の流れもあり、ますます多様なニーズを踏まえて、ミニバンなど収納力の高い車両も必要とされるのではないか、と考えられます。その中でも、日産のUD車両はとても評価の高い車両ですね。

ありがとうございます。まずUD車両としては、知名度のある車種として「セレナ」および「NV200」があります。日産のミニバンは上品さと存在感を両立させた車両と言えると思います。外装となるカラー設定をはじめ、インテリアはすべてのシートがプレミアムです。

 

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―なるほど。なんといってもミニバンですし体感値としては広くラグジュアリーな重厚感があるように感じます。

そうですね。広さの面でいえば、座席は3列設計です。足元も広い設計となっていますが、3列目は足元が高くなっていて前方を見えやすくしている点など、見えない工夫がなされています。3列目は座席を跳ね上げることで大きな荷物も搭載可能になりますね。

 

―セレナの一番の特長はなんでしょうか。

スロープタイプの車両はあるのですが、ハイブリッドでスロープタイプの車両はセレナしかないんです。バッテリーなどが邪魔になって実現しにくいのですがセレナは実現させています。ガソリン車にもスロープタイプはあるのですが、ハイブリッドはセレナだけになります。

 

―技術・テクノロジー面ではどのような特徴がありますか?

そうですね。e-POWERをご存知でしょうか。これは画期的なパワーユニットで、”自ら発電する電気自動車“のことです。充電しなくていい電気自動車みたいなものです。ハイブリッド車とは違い、エンジンはあくまで発電専用になっており動力としては利用されません。エンジンで発電する電気自動車であり、つまりエンジン出力を使って発電機を回して電気を作り出し、その電気により駆動し車を走らせています。したがって、大容量のバッテリーに蓄えられた電気を使ってモーターを駆動するタイプの電気自動車とも違います。

―そうですね。e-POWERは日産の大きな特徴になりますね。走行が快適であるとドライバーの皆様からの評価が高いようですね。

はい。e-POWERはモータードライブになりますので、静かな走りが特徴のひとつです。アクセルペタルを踏んだ瞬間、スッと加速する感覚がありとても快適に走行することができます。またワンペダル操作により乗務員の皆さんの疲労軽減にも大きく役立っているという評価もいただいております。また燃費効率がすごくいいんです。そこも事業者様からみるとコストメリットになっていると思います。

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―装備面ではいかがでしょうか。

そうですね。特にアラウンドモニター、自動運転機能・単一車線走行、自動パーキングシステムなど安全面に寄与した機能が備わっています。これらは他メーカーにもない機能となります。これにより事故軽減にもつながっていると思いますね。

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―UD車両として主に車椅子の観点での特徴はなんでしょうか。

そうですね、短時間で車椅子を搭載することが可能です。約3分ほどで車椅子にのったまま、お客様を車内へ誘導することができるのが強みだと思います。

―のちほど体験させていただきますが、車椅子を車内へと誘導するスロープが設置搭載されていて、組み立てるなどせず、そのスロープを下げていくだけでセッティングが完了する仕様ですね。

のちほど、八洲自動車の金濱さんに操作いただきますので、詳しくはそちらをご覧ください。 (※後述、体験コーナーをご覧ください) 仕様としては、搭載のスロープを下げていただき、車椅子に後退防止ベルトをかけて、押して乗せます。ウィンチ機能といって、ベルトを電動で巻き上げ、乗降をサポートする機能もありますから楽ですね。また、車高調整機構として、車体後部を下げる機能もあります。これはスロープの勾配を緩やかにして車椅子を押す際の負担を軽減する機能です。総合的に車椅子のことを考え、車椅子に乗っている方にも安心して乗っていただける、またドライバーやサポートの方々も楽に誘導をしていだくために、皆様の負担を軽減し設計されております。そういう面で日産のUD車両は徹底的な技術追求を行っています。

―素晴らしいですね。ご利用のお客様からは実際にどのような声がありますか?

まずスロープ角度が10度しかありませんから、車に乗り込む際に怖くないという評価をいただいています。

ふたつ目に、高いところに乗っていただくので密閉感が出やすいのですが、この車は前が見やすく窓も大きくあいていますから開放感があります。前が見えてとても快適だというお声を頂戴しています。

またバッグドアからの乗降になりますから、雨を遮ることもできるので便利ですね。また多くお聞きするのは、家族の皆様と車椅子の方が同時に乗車できてよかった、との言葉をいただきますね。車両は3列仕様です。フロントは、運転手の助手席、および2列目にも乗車いただくことができますから、ご家族でご利用いただけます。ただ、タクシー車両としてはまだ台数が少ないために、増やしてほしい、というお声はいただきますね。

 

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―これからの活用において、高齢化社会での利用用途、福利用途、複数人での外出時、インバウンドなどでの利用を考えると、セレナ車両はとてもニーズが高いと感じました。

UD車両は多くのニーズがあります。“べき論”からいうと東京都では1万台のUDタクシーがあったほうがいいと言われています。その中で日産での目標台数もあり車両を増やしていきたいですね。

また私共のエリアとは別になりますが、東京ではない各地域において、「セレナ」と「ノート」はニーズが多いんですね。たとえば鳥取市内は400台のうち200台はセレナという事例があります。

―なるほど。日本全国規模で考えると大型のセレナとコンパクトなノートの地方ニーズは確かにありますね。

日産は特色あるデパートと言われるんです。たくさんの車種でニーズによって使い分けていただく。それは日産全体もそうですしタクシーでも同じことが言えますね。

―日産UD車両のポテンシャルを高く感じました。ぜひ車両を拡大いただくことを願っております。

はい。ありがとうございました。

 

■取材協力:日産自動車販売株式会社 東京支店

 

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セレナ車両を専門に、日々お客様を快適に誘導するUDタクシー乗務員 八洲自動車 乗務員歴2年 金濱さんのUDタクシー対応に迫る!

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―金濱さんは乗務員歴は長いのですか?

乗務員歴は約2年になります。10か月ほどセダンで乗務していましたが、のちにセレナに特化して乗務しています。

―セレナ車両の乗り心地や乗務具合はいかがですか?

もう別もの、という感覚がありますね。実際に乗ってみますと、車高が高く目線が高いので、それだけ横断する歩行者が良くみえて、セダンよりとても個人的には乗りやすいですね。

―どのあたりが乗務エリアになるのですか?

私は大きな荷物をもって困っている方のところに向かっています。ホテルや駅、空港などになり、

おおよそ時間を決めて便の多い時間帯などを調べて羽田空港に向かうことが多いですね。

―たしかに空港は大きな荷物のお客様が多いですからセレナはとても向いていますね。

そうなんです。私が感じるのは空港ですと飛行機の到着時間に遅延があったりしますので、とても疲れていらっしゃいます。その場合、ドアトゥドアでホテルまで、というお客様が多いのでニーズを叶えていると思います。

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―やはり荷物が多そうな国際線のタクシー乗り場に行くことが多いのですか?

そうですね。率先して国際線の方によくまいります。国際線のタクシーは、ワゴン用のレーン、セダン用のレーンと区分けされており、とても合理的に、必然的に荷物の多いお客様をお乗せすることができるのです。

―なるほど。しかし、いろんな国の方がいらっしゃる。言語はどうされているのですか?

お客様はアジアもヨーロッパもアメリカ圏もまんべんなくいらっしゃいます。わたしはもう言葉はフィーリングなんです(笑)。お客様もある程度、慣れているのかわからないのですが、タクシーにのったら、紙ですとか携帯で住所が書いてあるものを渡してくださるので、その目的地に行くということになり、あまり困ることもないのです。住所をみて、到着予定時間を英語などでお話します。そうすると、お客様は納得されて、ごゆっくりくつろいでご乗車されていますよ。

―料金は定額なのですよね?

そうですね。エリアで決まっていますので、その範囲内ですと定額、それ以外ですとメーターになりますね。

―荷物の積み下ろしとしては、乗務員の方が積み下ろしをするんですよね?

セレナの場合は大きいスーツケースで4つは楽に入ります。セレナはドライバーを入れてトータル7人ですから6人までお乗りいただけます。荷物がありますと、おおよそ3名様、スーツケースなどで3人分というパターンが多いですね。

ーセレナ車両で、逆に不便を感じることはありますか?

そうですね。狭い道でしょうか。セレナは若干大きいので、住宅街などに行きますと比較的狭い道などもありますから、曲がりづらい、などはございますね。無理な場合はお客様にお伝えして、可能な場所までお届けしています。あとは、高さ制限のある場所でしょうか。ガード下で低い場所、つまり入れない場所があるのです。都内に数か所ありまして、そのルートをご指定いただくお客様には事前にルートを迂回する旨をお伝えするようにしています。

―なるほど。そういう低い場所はだいたい理解されていると。

そうですね。網羅はできていないかもしれませんが、主たるところは理解しています。

あとは交差点などでしょうか。

―交差点ですか?

ワンボックスの車はなかなか通常のタクシー車両と違いまして、ワゴンですので、後続してくる一般の車の運転手の方が、タクシーと認識していない場合があります。そうすると、通常のタクシーはすぐに止まりますが、ワゴンですので、すぐ止まると後続車に迷惑をかけることがありますので、常に神経を使いながら運転しているところはありますね。

―ところで、この車両を呼びたいというときはどうすればよいのでしょうか?

この車両は一般車両と料金は一緒です。無線グループの中ではこの車両をお持ちの会社様、お持ちではない会社様がおありですので、その点だけご注意いただければ大丈夫です。

(注※車両特定して呼びたい場合は、最寄りのタクシー会社にお問合せください。特定の時間に指定して配車したい場合は、予約料金がかかります。)

―観光でのニーズはいかがでしょうか。

2~3時間のご利用が多いですね。季節ごとに桜、イルミネーションタクシー、秋はハロウィンタクシーなど、観光でのご利用も増えてきました。イルミネーションタクシー等では東京駅に集合して、東京タワー、けやき坂、ミッドタウンなど、何か所かをまわります。ミッドタウンで最後お止めして、お食事される方々も多いですし、ご年配の方などご自宅までお送りするケースもあります。春の桜が綺麗な頃はとても人気ですね。千鳥ヶ淵をまわり、増上寺、東京タワー、浜離宮を見てご自宅や最寄の駅で下車されるケースが多いです。

―海外の方がこの観光タクシーを利用されるケースはいかがですか?

海外の方のケースはまだまだこれから、開拓する領域だと思っています。現状は日本の方のご利用が多いですね。

―なるほど。このたびはインタビューに答えてくださり、ありがとうございました。

金濱さんはとても気遣いがすばらしいですね。神対応をされていることが良くわかりました。また今回取材していますと、このような車両はますます増えると良いと思いますが、金濱さんはどうですか?

ありがとございます。そうですね。車両が増えるといいですね。乗務員の観点からしますと、大きなUD車両の運転には抵抗がある方もいらっしゃるので、若干の慣れが必要かもしれません。慣れてくるドライバーが増えれば可能だと思いますね。

―そういう意味ではUD車両でのノウハウについて、金濱さんはベテランドライバーということになりますよね。

いえいえ(笑)。こちらこそありがとうございました。

 

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①備え付けのスロープを下ろします ②③スルスルと地面に接着させます。その間、ワンボタンで後部の車体も下げるウィンチ機能を発動! ④スロープ手前で一旦停止。ベルトを車椅子に固定させます ⑤自動巻き上げで自動的に上がっていきます ⑥乗降時は、念のため補助として金濱さんが手動でもフォロー! ⑦車にIN! スロープを戻して完了! ⑧最後列は少し床があがっており視界も良好!狭さも感じずにとても快適なセレナ車椅子体験でした!

 

■PROFILE 八洲自動車 金濱哲也(かねはまてつや)さん 乗務員歴2年■取材協力:八洲自動車株式会社 代表取締役社長 永峯豊子さん

八洲自動車
東京都江東区清澄1-3-15
http://www.yashima-taxi.com/
TEL 03-3642-4306

 

(※最上段写真 左から)日産自動車販売・村部さん、八洲自動車・金濱さん、八洲自動車・代表取締役 永峯社長

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【予告】第2話もスペシャルインタビューをお届けします。2月初旬掲載予定です。お楽しみに!